PROPOSAL

経理・税務についてのご提案

一般社団法人ボーダーレスラグビーアカデミー / 2026年9月4日 / 片貝

定款を拝見して、税金まわりの見通しが立ちました。結論として、税理士さんに年60万近くをお支払いいただく必要はないと考えています。
理由と、私がどういう形で関わればよいか、そしていま急いで手を打つべきことをまとめました。長くなりますが、お手すきのときにご覧ください。

1結論の先出し

ご相談内容私の結論
税理士さんの見積もり 年約57万円不要と考えます。私がお引き受けします。費用は作業量をご覧いただいたうえで、ご相談させてください
会計ソフト 月1万円不要です。世界中で使われている無料のソフト(GnuCash)を使います
そもそも税務申告は必要か不要と判断できました。確認事項はすべて解消しています(9章)
急ぐことはあるかあります。9月10日が期限です。都税事務所への設立届出です。定款の写しだけで出せます(9章)
リスクはないのかあります。私は資格者ではないので、誤ればご迷惑をおかけします(8章に正直に書きました)

2定款を拝見してわかったこと

柴谷さんが作られた定款は、税制上、有利な形になっています。第28条・第29条・第30条に、税法が求める条件が入っていました。

定款の条文 第28条 剰余金を分配しない 第29条 残余財産は国等へ 第30条 上の2つは変更不可 理事4名 親族関係なし すべて充足 非営利型法人 (税法上の区分) 収益事業の所得 → 課税される それ以外の収入 → 課税されない
定款の3条文と理事構成が「非営利型法人」の条件を満たしているため、収益事業に当たらない収入には法人税がかかりません。普通の一般社団法人だと、すべての収入が課税対象になります。ここが分かれ道です。

では、ラグビー教室は「収益事業」か

税法は課税される事業を34種類だけと決めていて、そこに書かれていないものは課税されません。この34種類には、洋裁・茶道・生花・音楽・書道・写真・自動車教習などが並びますが、スポーツの指導は入っていません。

つまりラグビー教室の月謝は、課税の対象外である可能性が高いと考えています。

1点だけ論点がありましたが、解消しています。
34種類の中に「学力の教授」(受験対策や学校の補習)が含まれており、定款第4条2号の「ラグビーを通した学習指導」がこれに当たらないかを確認しました。

実態は練習の中で算数の考え方を使うもので、 このため、学力の教授には当たらないと考えられます。定款の文言だけを見ると疑問を持たれる可能性がありますので、雪谷税務署に実態を説明して確定させます(無料・電話で聞けます)。

※ 将来、学習指導を独立した有料のサービスとして始められる場合は、扱いが変わる可能性があります。そのときはご相談ください。

もう1点だけ、確認させてください。
34種類の中には「請負業」も含まれています。アカデミー(法人)がピボットフットさんから運営の受託料や協力費を受け取っている場合、これに当たる可能性があります。

金額が小さくても、該当すれば「収益事業あり」となり、法人税の申告が必要になります。申告が不要という見通しが変わる、唯一残った点です。
※ 柴谷さん個人が指導料を受け取られている場合は、個人の所得の話ですので、法人の課税とは無関係です。

3私がどういう形で関わるか

法律上の制約があります

私は税理士の資格を持っていません。税理士でない者が、外部の立場で他人の申告書を作ることは法律で禁じられています(税理士法)。無償でも違反になります。

ただし、その法人の役員や職員が、自分の法人の申告書を作るのは問題ありません。どの会社でも経理部がやっていることです。

できない形:外部の業者として請け負う アカデミー (法人) 片貝(外部) 個人 または 株式会社として請求 申告書 税理士法違反 できる形:理事として中に入る アカデミー (法人) 片貝(非常勤理事) 法人の一員として作成 申告書 税務署
同じ作業でも、外部の業者としてやると違法、法人の理事としてやると適法です。柴谷さんが先日「片貝さんも理事に入ってもらえばよかった」とおっしゃっていたのは、この意味でも正しい形でした。
ご提案
私を非常勤の理事として加えていただけないでしょうか。そうすれば、記帳から決算・申告まで一貫してお引き受けできます。理事としては無報酬でお受けします(詳しくは5章に書きました)。
※「非常勤」であることが大切です。常勤扱いになると、私の会社の社会保険の計算に影響が出てしまいます。月に数日の関わりであれば非常勤で問題ありません。

なぜ「非常勤理事」なのか — 職員として雇う形ではいけないのか

実は、職員(従業員)として雇っていただく形でも、税理士法の問題は起きません。自社の経理担当者が申告書を作るのは、どの会社でもやっていることだからです。ですので、「理事でなければ違法」という話ではありません。

それでも理事をお願いしているのは、次の3つの理由からです。

職員として雇う非常勤理事
無報酬の部分を作れるか作れません。労働基準法上、働いた分の賃金を払う義務があります作れます。理事は委任契約なので、無報酬の職務が成立します
実態と合うか週に数時間、指揮命令を受けずに進める働き方は、雇用の実態がありません時間で縛らず、職務として関わる形。実態に合います
法人側の事務1人でも雇えば労災保険の加入義務が生じます。給与支払事務所の開設届、毎月の源泉徴収、年末調整も必要です理事報酬が無報酬で、記帳を業務委託とすれば、これらは発生しません(記帳代行は源泉徴収の対象外です)

いちばん大きいのは1行目です。「申告書の作成は無報酬、記帳の実務だけ有償」という二階建てをご提案していますが、雇用ではこの形が組めません。働かせた分は払わなければならないからです。

理事の側にも負担はあります。 1万円と手続き1回で、給与まわりの事務が毎年発生しなくなる、という比較になります。

4手続きの流れ

理事を1名増やすには、社員の皆さんの同意と、法務局への登記が必要です。集まっていただく必要はありません。メールのやりとりで完了します。

柴谷さん 社員4名 片貝 法務局 ① 提案メールを送る 理事の選任(非常勤・無報酬) ② 「同意します」と返信 4名そろえば決議成立・押印不要 ③ 議事録を作成 代表理事印が必要 ④ 就任承諾書+住民票を渡す ⑤ 変更登記を申請(2週間以内・登録免許税1万円) 書類の作成は私が行います 柴谷さんの作業は ①のメール送信・③の押印・⑤の投函 の3つだけです
社員の同意はメールで足り、押印は不要です(法人法58条の書面決議)。押印が要るのは、法務局に出す議事録と、私の就任承諾書だけです。

お送りいただくメールの文面(案)

件名:【要返信】臨時社員総会の書面決議のお願い 一般社団法人ボーダーレスラグビーアカデミー 社員各位 下記のとおり提案いたします。 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第58条に基づき、 社員全員のご同意により、社員総会の決議があったものとみなします。 【議案】理事1名選任の件  片貝 吉彦 を理事(非常勤・無報酬)に選任する。 ご同意いただける場合は、本メールに 「上記提案に同意します」とご返信ください。

5作業量と、費用のご相談

経理は、月々こまごまと時間がかかる仕事です。まず、どれくらいの作業量になるかをお示しします。そのうえで、費用はご相談させてください。

作業量の見積もり(税務申告が不要だった場合)

作業初年度2年目以降
勘定科目の設計(非営利型に対応した区分)4時間—
会計ソフトの構築・開始残高の設定4時間—
Sgrumの入金データと帳簿をつなぐ仕組みづくり12時間—
月次資料の型づくり(理事会・総会用)6時間—
月次処理(仕訳・入金の消込・残高照合)24〜36時間
月2〜3時間×12
18〜24時間
月1.5〜2時間×12
決算・計算書類の作成10時間10時間
社員総会の資料作成3時間3時間
各種届出・均等割の申告4時間—
合計約67〜79時間約31〜37時間

※ 税務申告が必要になった場合は、初年度・2年目とも10〜15時間が加わります。
※ 初年度に時間がかかるのは、帳簿の仕組みそのものを作るためです。2年目以降は運用だけになり、半分程度になります。
※ 月次処理に幅があるのは、立替精算やレシートの確認など、相手のある作業が含まれるためです。この法人の経理は初めてですので、実際の時間はこの幅の中でブレます。

費用について

金額は、ご相談させてください。
いま申告の要否が確定していないため、作業量が1.5倍ほど変わる可能性があります。まずは上の見積もりをご覧いただいて、ご負担にならない範囲をお聞かせいただければと思います。

作業した日と時間はすべて記録して、明細としてお出しします。「何にどれだけかかったか」が分かる形にしますので、実際にかかった分だけをお支払いいただく形でも構いません。

理事としては無報酬です。実務の部分だけご相談させてください

理事の職務と、経理の実務は別のものだからです。定款第18条のとおり、理事の職務は理事会を構成して職務を執行することで、日々の帳簿づけは事務局の実務にあたります。

内容対価
理事としての職務理事会への出席/他の理事の職務執行の監督/法人としての税務申告無報酬
経理の実務記帳/Sgrumとの連携/月次資料の作成/決算資料の作成ご相談

税務申告を無報酬の側に置いているのには理由があります。理事が自分の法人の申告書を作るのは「法人自身の行為」なので問題ありませんが、有償の契約に含めると外から見て「外部の業者が有償で税務を請け負っている」ように見えてしまいます。記帳と申告を別建てにするのは実務でも一般的な区分ですので、この形にさせてください。

手続きが1つ増えます。理事である私が法人と取引する形になりますので、利益相反取引として理事会のご承認が必要です(法人法84条)。定款第25条に「決議について利害関係を有する理事を除く」とありますので、私を除いた4名でご決議いただきます。議事録1枚で足ります。
※ この手続きは、報酬の額が決まってからで結構です。

ご参考:税理士さんの見積もりとの比較

初年度2年目以降
税理士さんの見積もり
顧問30万+決算15万+会計ソフト12万
570,000円570,000円
私にお任せいただく場合
会計ソフトは無料のものを使用
ご相談のうえ決定
(上の作業量が判断の材料になります)

会計ソフト代の年12万円は、不要になります。GnuCash という無料のソフトを使いますので、ここは無条件で浮きます。

GnuCash について
20年以上開発が続いている、世界中で使われている会計ソフトです。無料で、広告も課金もありません。企業や団体の経理でも使われている複式簿記のソフトで、機能面で市販品に見劣りする部分はありません。 ※ 私は簿記1級を持っていますので、市販ソフトの自動仕訳に頼らず、勘定科目を自分で設計して使えます。無料ソフトで足りると申し上げているのは、この前提があるためです。
お引き受けする範囲

6正確性をどう担保するか

資格者でない私が、なぜお引き受けできると考えているのか。進め方をお伝えしておきます。

大きいのは、「調べる」という作業のコストが、ここ数年で劇的に下がったことです。税法の条文、国税庁の通達、法人法の規定、実務の慣行——こうした調査は、以前は専門家にしかできませんでした。いまはAIを使って、条文の原典まで短時間で辿れます。

ただし、AIは間違えます。ですので、次の手順を徹底しています。

論点が 出てくる ① 複数のAIに同じ問いを投げる Claude(主) Gemini ChatGPT ② 突き合わせる 食い違えば 原典(法令)にあたる ③ 公的機関に 直接確認する 税務署・法務局/無料 確定 +記録 判断するのは私です。AIは調べる速度を上げるだけです
AIに判断させるのではなく、AIで調査の速度を上げ、食い違いを検出し、最後は公的機関に確認して確定させます。税務署・都税事務所・法務局への問い合わせはすべて無料です。判断とその根拠は記録に残し、後から検証できるようにします。
今回のご提案も、この方法で作りました。
「ラグビー教室は収益事業に当たらない」という見立ては、法人税法施行令に列挙された34業種を確認して導いたものです。ただしこれはまだ私の見立てです。雪谷税務署に電話で聞けば確定します。(代表である柴谷さんからお聞きいただいた方が話が早い場合もありますので、かけ方はご相談させてください)
「学習指導が引っかかる可能性がある」と書いたのも、この段階で断定すべきでないと考えたからです。その後、実態を確認して解消しました。
(参考)AIの間違いを、どう潰しているか

AIは、分からないことを「分かりません」と言わず、それらしい答えで埋めてきます(ハルシネーション)。断定的に書かれているので、初めて使う方はそのとおり受け取ってしまいます。間違いが出やすいのは条文番号・金額・期限・制度名・存在しない制度の5つです。

対象確認のしかた
条文・制度原典(e-Gov法令検索・国税庁)を開いて実在と内容を目で確認
金額・期限AIの答えは使わず、公式の価格表・請求書・条文で確認
判断が分かれるもの税務署・法務局に電話して確認(無料)
すべて判断とその根拠を記録に残し、後から遡って直せるようにする

この資料でも、確認できていないことは「確認します」と書いています。断定していない箇所は、意図的に断定していません。

この方法で足りる範囲と、足りない範囲

対応
定型的な記帳・決算・届出この方法で十分な精度が出せると考えています
判断が割れる論点公的機関に確認して確定させます。それでも判断がつかなければ、税理士さんにご相談いただきます
税務調査への対応経理・財務を対応した者として同席します。帳簿を作った本人が説明できる形にしておきます。ただし、法人を代理して交渉する行為(税務代理)は資格者の領域ですので、争点が出た場合は税理士さんに依頼いただきます

費用を抑えられる理由は、ここにあります。専門家に払っていた費用の多くは「調べて、書類にする」時間の対価でした。その部分のコストが下がったので、その分を価格に反映できる、という考え方です。

7安さより、大きなメリットがあります

資料を書きながら気づいたのですが、この件の価値は「安く済むこと」ではないかもしれません。
費用の話から入ってしまいましたが、整理していくうちに、柴谷さんのお手間が減ることと、活動全体を一貫して見られることの方が大きいと思うようになりました。この章では、そちらをお伝えします。

前提として、税務そのものの確実性は、税理士さんの方が上です。私は資格者ではありません。そこは動きません。

ただ、アカデミーが必要としているのは税務だけではないと思っています。Sgrumの入金データと帳簿をつなぐ仕組みや、理事会にお出しする月次の資料まで含めた「財務経理の仕組みづくり」は、通常の税理士さんの業務範囲外です。そこは私の方でお役に立てます。

私が対応する方がスムーズだと考える理由

費用のこと以上に、柴谷さんのお手間が減るという点をお伝えしたいです。

税理士さんに依頼された場合、実は柴谷さんの作業はゼロになりません。毎月、通帳の記録・領収書・Sgrumの入金明細を集めて、税理士さんにお渡しする作業が発生します。小さな法人ほど、この「渡す作業」が負担になります。

税理士さんに依頼する場合 Sgrum 入金データ 柴谷さんが集めて渡す 通帳・領収書・入金明細 毎月発生 税理士さん 帳簿・決算 私が対応する場合 Sgrum 入金データ 私が直接データを取得して帳簿へ 柴谷さんの「渡す作業」が発生しません 帳簿・決算 ホームページ・Sgrumの導線・帳簿・各種届出まで、同じ人間が一貫して見ます 「これはサイトの話、これは税理士さんの話」と切り分けていただく必要がありません
違いは、真ん中の工程があるかないかです。私はサイトの申込導線からSgrumのデータ構造まで把握していますので、入金データを直接、帳簿に取り込めます。柴谷さんが毎月資料を集めてお渡しする工程が、まるごと不要になります。

一貫して見られる範囲

領域状況
ホームページ(教室情報・申込導線)すでに制作済み
ドメイン・メールなどの基盤すでに構築・管理中
Sgrumの入金データ申込導線を設計したため、データの構造を把握しています
帳簿・決算上記から直接つながります
各種届出・登記自分の会社で一通り経験しています

ご相談の窓口が1つで済みます。「これはサイトのこと、これは税理士さんのこと」と切り分けていただく必要がありません。教室を1つ増やされたときも、サイトの掲載・申込先の設定・会費の帳簿処理を、まとめて対応できます。

※ 繰り返しになりますが、税務の確実性という一点では税理士さんに及びません。手間の少なさと一貫性で選んでいただく、というご提案です。

「一般の会社より高くなる」と言われた理由について

税理士さんから「一般の会社よりは高くなる」とお聞きになったとのことでした。おそらくこれは取引の量ではなく、一般社団法人に特有の論点を確認する手間を見込まれたものだと思います。

一般社団法人は法人全体のごく一部で、株式会社の顧問業務では出てこない論点がいくつもあります。どの税理士さんが担当されても、まずここを調べることになります。

調べることになる論点本資料での状況
定款が非営利型法人の要件を満たすか確認済み(28・29・30条と理事の親族関係)
ラグビー教室が「収益事業」に当たるか条文を確認済み(34業種にスポーツ指導の列挙なし)。税務署に最終確認予定
「ラグビーを通した学習指導」が学力の教授に当たるか実態を確認済み(別料金なし・受験対策や補習の位置づけなし)。該当しない見込み
ピボットフットさんとの取引が「請負業」に当たるか唯一の未確認事項。やりとりの有無を教えていただければ判定できます
均等割の扱い(免除対象かどうか)申請すべきと判断。年7万円に効きます
消費税の納税義務があるか基準期間がないため当面は免税
事業年度と第1期の決算期2027年7月末と確定(定款26・31条)
機関運営(社員総会・理事会・監事監査・計算書類の備置と公告)定款から整理済み。公告は事務所への掲示で足ります

これらの調査は、この資料を作る過程で終えています。費用を抑えられる理由のひとつが、ここにあります。

※ ただし、税理士さんの見積もりが高いと申し上げているのではありません。調べる手間を織り込むのは、専門家として当然の見積もりです。私の場合はその手間が既に済んでいる、というだけの違いです。

8ご迷惑をおかけする可能性について

ここまで「お任せください」と申し上げてきましたが、正直にお伝えしておくべきことがあります。

私は税理士の資格を持っていません。簿記1級を持ち、自分の会社と個人の決算・確定申告を士業に依頼せず行ってきましたが、判断を誤る可能性はあります。
そして、誤ったときにご迷惑をおかけするのは柴谷さんです。そこを曖昧にしたまま進めたくないので、起こりうることを具体的に書きます。

起こりうること

起こりうること柴谷さんにかかるご負担
判断を誤り、申告に不足があった修正申告と、加算税・延滞税の負担。ただし課税所得がほぼ生じない見込みのため、金額は小さいと考えます
届出を漏らした加算金等。気づいた時点で提出すれば、多くは取り返せます
税務調査が入った立ち会って帳簿の説明はしますが、交渉はできません。法人に代わって主張し、その回答が法人を拘束する形で応答する行為(税務代理)は税理士だけに認められています。見解の相違が生じた段階で、税理士さんに依頼していただくことになります
私が続けられなくなった引き継ぎのお手間。帳簿と記録は誰でも引き継げる形で残します

いちばん大きいのは、税務調査で交渉ができないことです。経理・財務を対応した者として同席し、「なぜそう処理したか」を帳簿に基づいて説明することはできます。ただし、税務署と見解が分かれて交渉になった場合、そこから先は資格者でなければ踏み込めません。顧問税理士がいれば最初から代理してもらえますので、ここが決定的な違いです。

そのために決めておきたいこと

就任にあたっては、次の一文を議事録に残させてください。

「会計担当は税理士資格を有しないため、税務判断について誤りが生じる可能性がある。重要な判断が必要な場合、または税務調査において税務代理を要する場合は、法人の判断により税理士に依頼する。」

これは私を守るためというより、「必要なときは税理士さんを使ってよい」ということを、法人の記録として明確にしておくためです。

完全に安心したいなら、税理士の先生です

不安なく任せたい、間違いがあれば専門家に責任を持ってほしい、税務調査では代理して交渉してほしい。そうお考えであれば、税理士の先生に依頼されるのが正解です。年57万円は、その安心に対する対価です。

私にできるのは、「そこまでの安心は要らない」「その分を子どもたちの活動に回したい」というご判断であれば、実務は引き受けられます、というところまでです。

どちらを選ばれても、私の気持ちは変わりません。税理士さんにお願いされる場合でも、Sgrumと帳簿をつなぐ仕組みづくりや、月次の資料づくりはお手伝いできますので、遠慮なくおっしゃってください。

9いま急いで手を打つべきこと

ここまでは私の関わり方のご提案でしたが、ここからは、それとは別に急ぐ実務の話です。

お詫びと訂正があります。
はじめに「均等割の減免を申請すれば年7万円が免除できる」とお伝えしましたが、これは誤りでした。東京都主税局に確認したところ、一般社団法人は、非営利型であっても均等割の免除対象に含まれていません。免除されるのは公益社団・公益財団法人、NPO法人、管理組合法人などに限られます。
年7万円は、免除申請では避けられない固定費です。申し訳ありませんでした。

いま分かっている事実(柴谷さんのご回答より)

項目内容
設立年月日2026年8月26日
税務署・都税事務所への届出いずれも未提出
学習指導の別料金なし(今後も予定なし。ラグビーのための学習)
ピボットフットとの金銭のやりとりなし(指導料は柴谷さんの会社へ入る)
これで、法人税の申告は不要と判断できます。収益事業に当たりうる論点は「学習指導」と「運営の受託」の2つでしたが、どちらも該当しないことが確認できました。法人の収入は月謝のみです。
また、届出がいずれも未提出ということは、二重提出の心配もありません。まっさらな状態から進められます。

やるべきことは2つになりました

やること出す先期限
法人設立・設置届出書
添付は定款の写しだけ(登記事項証明書は2026年4月から不要)
都税事務所2026年9月10日
設立から15日以内
均等割の申告と納付
収益事業がなくても必要です
都税事務所2027年4月30日
まだ先です

税務署への届出は不要です。収益事業を行わない法人は、収益事業を始めたときにだけ届け出れば足ります。

期限は9月10日(木)です。登記事項証明書を待つ必要がなくなりましたので、定款の写しがあればすぐ出せます。提出は柴谷さんにお願いします(郵送可・押印不要)。届出書の下書きと記入例は私の方で用意できますので、必要でしたらお申し付けください。
※ 提出先は品川都税事務所です。大田区に「大田都税事務所」がありますが、法人の都民税・事業税は品川都税事務所が所管しています(東京都主税局「所管区域一覧」)。宛先を間違えやすい点なので、下書きに正しい宛先を入れておきます。

9月10日までにやること(品川都税事務所への設立届出)

項目内容
提出先品川都税事務所 〒140-8716 品川区広町2-1-36(大井町駅 徒歩8分)
大田区の法人担当:03-3774-6309(平日8:30〜17:00)。大田区内に「大田都税事務所」がありますが、法人の都民税は品川が所管です
様式法人設立・設置届出書(条例規則第32号様式(乙))「その2(都税事務所・支所提出用)」
Excel版/PDF版/記載例/記載要領
添付定款の写しのみ(登記事項証明書は不要)
提出方法郵送または窓口。押印不要。控えが必要なら2部+切手を貼った返信用封筒を同封すると受付印付きで戻ってきます
期限2026年9月10日(木)。郵送は消印日が提出日とみなされますが(地方税法20条の5の3)、余裕をみて9日までの投函をおすすめします

届出書に書く内容は次のとおりです。私の方でExcelに下書きしてお渡しできます(主たる事務所の住所と法人番号だけ教えてください)。

欄記入内容
法人名一般社団法人ボーダーレスラグビーアカデミー
主たる事務所登記上の所在地
法人番号3010805003284(国税庁法人番号公表サイトで確認済み)
代表者代表理事 柴谷 晋
設立年月日2026年8月26日
事業年度8月1日〜7月31日
資本金等なし(一般社団法人には資本金の概念がありません)
事業の種類ラグビー教室の運営(定款の目的に沿って)
公益法人等の区分非営利型の一般社団法人/収益事業を行わない ← ここが一番大事です。ここで「収益事業なし」と届け出ることで、均等割のみの扱いになります
提出済みの届出税務署への提出なし(提出義務なし)

初年度の均等割は、月割になります

均等割は事務所を有していた月数で按分されます(地方税法52条3項)。2026年8月26日から2027年3月31日までは7か月(3月26日〜31日の端数は切り捨て)ですので、初回の納付は 70,000円 × 7 ÷ 12 = 40,800円(百円未満切り捨て)です。翌年度からは満額の7万円になります。

年7万円を無くす方法がないわけではありません。ただし、いずれも簡単ではありません。 いまの規模では、年7万円は必要経費と割り切るのが現実的だと考えています。将来、活動が大きくなって公益認定を目指す段階になれば、改めてご相談させてください。
(参考)税務の手続きに、登記事項証明書は要りません
提出先登記事項証明書備考
税務署そもそも届出が不要収益事業を行わない非営利型法人は、法人設立届出書の提出自体が不要です(国税庁 C1-4)
都税事務所添付不要2026年4月1日から不要になりました。定款の写しだけで足ります(東京都主税局「届出方法・添付書類について」)

9月7日に取得されるご予定の証明書は、銀行口座の開設用としてそのままお使いください。税務のためにもう1通取っていただく必要はありません。

10これからの流れ

時期やること担当
いますぐ都税事務所への設立届出(9/10期限)柴谷さん(下書きは片貝)
今月中理事就任の書面決議・登記柴谷さん+片貝
報酬額が決まったら経理実務の委託について理事会で承認(私を除く4名で決議)柴谷さん
10月〜会計ソフトの構築、設立日からの帳簿作成、Sgrum連携片貝
2027年8月決算整理片貝
2027年9月計算書類の作成 → 監事監査 → 理事会承認片貝+松本監事
2027年10月末まで定時社員総会で承認、貸借対照表を事務所に掲示柴谷さん

※ 第1期の決算は2027年7月末です。まだ時間がありますので、慌てる必要はありません。急ぐのは「いますぐ」の行だけです。

(参考)2年目からはオンライン(eLTAX)で回せます

地方税の申告・届出・納税は、eLTAX(地方税ポータルシステム)でオンライン化できます。私の会社もこれで回しています。ただし、送信には法人の電子署名が必要で、私が代わりに署名することはできません(税理士のみ可)。署名できるのは次の2つです。

署名手段操作する人備考
柴谷さんのマイナンバーカード柴谷さん年1回(4月の均等割申告)だけ署名していただく形。私が書類を作り、柴谷さんが最後に署名して送信
法人の商業登記電子証明書証明書を預かる人法務局で代表理事が取得(数千円・有効期間は選べる)。私が預かれば、柴谷さんの手を借りずに申告・納付まで完結します。会社では経理担当が預かるのが一般的ですが、証明書とパスワードをお預けいただく形になりますので、理事会承認の際に議事録へ明記しておくのがよいと思います

今回の設立届出(9/10)は郵送が確実です。eLTAXの利用開始には利用者IDの発行や設定が要り、期限までに初回セットアップを済ませるより、紙で出す方が安全だからです。押印は不要です。

※ 動作環境:ブラウザ版(PCdesk WEB版/Next)はMacでもWindowsでも使えます(Macは Safari+署名プラグイン)。インストール版(PCdesk DL版)だけはWindows専用です。私のMacで運用できる見込みですが、機能によってWindowsが必要になる場面があれば、その時点でお伝えします。

11お願いしたいこと(まとめ)

  1. 都税事務所への設立届出(9月10日期限)は柴谷さんからご提出ください。定款の写しを添えて郵送で出せます。下書き・記入例が必要でしたら、すぐ用意します
  2. 私の理事就任について、ご検討ください
  3. 費用について、作業量をご覧のうえご相談させてください

※ 設立年月日・届出の有無・学習指導・ピボットフットとの取引については、ご回答いただきました。9章に反映しています。

1だけ期限が絡みます(9月10日)。お手伝いできることがあれば言ってください。それ以外は、お手すきのときで大丈夫です。